うつ病と職場復帰

平成23年10月16日 日本医師会産業医研修会(滋賀県大津市)

 上記の研修会に出席しました。労働者のうつ病に対してどのように産業医として対応するのか、また職場復帰に向けてどのようにアドバイスするのかを研修しました。最近は職場で効率を求められ人手も少ない中で働くため、ストレスがたまることが多くなります。そのためかうつ病になる労働者が増えています。

 演者と参加者がいろいろと意見を出し合いディスカッションを行いました。精神疾患に対する対応は各会社により様々ですが各都道府県にある障害者センターを利用してリワーク支援することがスムーズに職場復帰できる事が確認されました。Dvc00011

 産業医と主治医が十分に連絡をとり、会社側と職場の条件等を話し合いながら職場復帰プランを作成して復帰するやり方が検討されました。いきなり職場に復帰するよりも復帰前訓練をして復帰する方が、再度休職をする割合が少なくなり有効である
検討も発表されました。
 

 うつ病は現在ますます増加して社会問題になっています。まわり
にいる人や家族もおかしいと思ったら主治医に相談しましょう。

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〒592-0002  大阪府高石市羽衣1丁目10-11 石田医院
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子宮頚癌ワクチン

 ようやく日本でも子宮頸癌ワクチンが承認され接種可能となりました。

Hpv 子宮頸癌は2008年度ノーベル賞を授与されたツルハウゼン博士がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により引き起こされることを発見しました。HPVに対する免疫(抗体)を作るのが子宮頸癌ワクチンです。このワクチンを接種することで女性が子宮頚癌になる事を予防できます。

日本での子宮癌検診受診率は、23.7%と先進国の中で最低といって良いほど
低いです。アメリカ82.6%カナダ78%と高く、韓国40.6%、メキシコ37.1%となっています。このままで良いのでしょうか。

欧米ではこの病気はMother killerといわれています。日本では25歳から39歳に罹患のピークがあり、まさに小さい子供を持つ母親の世代に多いのです。最近20歳代の女性の子宮頸癌の発症が急激に増えています。

日本では1日7人が子宮頚癌で死亡していることをご存知ですか!

このままではこの病気は日本でのMother killerとなります。そこでこれからの子宮頚癌予防は、ワクチンで100%の効果が出るわけではないので

 1次予防 ワクチンで
 2次予防 子宮癌検診で

ということになります。まずは10歳以上の女子に子宮頚癌ワクチンを接種しましょう。あなたの大切な娘さんや成人女性を子宮癌から守ってください。

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妊婦と新型インフルエンザ

 今回の新型(豚)インフルエンザは、秋から本格的に流行することが予想されています。感染による致死率は1%以下と考えられ特に毒性が強いとは今のところ考えられていません。

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しかし一部には重症例や死亡例が認められています。特に新型インフルエンザは肺胞の上皮で増殖が速くウイルス性肺炎を合併しやすいようです。特に高齢者や心臓や腎臓や喘息など基礎疾患がある人は気をつけなければなりません。

また健常な妊婦でもリスクが高く、非妊娠者に比べて約3から5倍の入院率と言われています。妊娠第三期(妊娠8ヶ月以降)のリスクが最も高くなっています。従って、もしインフルエンザの患者や家族に接触した可能性がある場合タミフルやリレンザを服用することが推奨されます。

妊娠初期にタミフルを服用しても胎児に影響がなかった事がアメリカから報告されています。
もしインフルエンザに感染する可能性がある場合や感染した可能性がある場合すぐに産婦人科の主治医に相談してください。その場合直接受診せず、病院に電話をしてから受診してください。

もし間に合えば新型インフルエンザのワクチンを接種することをお勧めします。妊婦がいる家族は、まずみんながインフルエンザに感染しないように注意しましょう。

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アトピー性皮膚炎とステロイド軟膏

先日(8月30日)日本アレルギー学会専門医教育セミナーに
参加しました。そこで東京逓信病院皮膚科の江藤隆史先生が講演
されていました。内容アトピー性皮膚炎の標準治療で軟膏治療の
講演内容でした。
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 アトピー性皮膚炎の患者さんは経過が長く完治しないので薬の
副作用を気にします。患者さんの立場から言えば当然です。しかし
医者の立場から言えば、この病気をはいかに良い状態に保つか、逆に
いかに悪い状態にしないかが治療のポイントになります。そして
医者はステロイド軟膏をいかにうまく使うかを患者さんに説きます。
でも患者さんは周りから言われる
ステロイド軟膏の副作用の恐怖に
おびえます。
 
顔が丸くなる
 
骨がもろくなる
 
著明な色素沈着をおこす
 
光にあたると色素沈着をおこす
 
皮膚が象のように硬くなる
以上がよく言われる副作用ですがどれがほんとうでしょうか?
実はどれも間違った情報です。正しく使用すれば上のような
副作用はまったく出ません。むしろ沢山使わずに遠慮して少量
使用しても症状は改善しません。専門医の話をよく聞いて
ステロイド軟膏をもっと使いましょう。
 そして新しい薬のタクロリムス軟膏を使えば予防効果もある
のです。間違った民間療法を続けて皮膚科の入院する患者さんも
少なくないのです。民間療法に年間莫大なお金が使われていると
言われますが、専門医にかかればそんなに治療費はかかりません。
ぜひ正しい知識をとりいれて治療をしましょう。

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子宮内膜症治療の最近の話題

本日神戸で開催された近畿産科婦人科学会に参加してきました。そこで講演された子宮内膜症の最新の治療から一部紹介したいと思います。

子宮内膜症は、ご存知だと思いますが生理痛がひどくなったり卵巣、子宮が腫れたりする病気で不妊症の原因になります。
受診患者は20歳台後半から発症し30歳からが多く受診しています。今までも色々治療法があったのですがこの1年の間に
黄体ホルモン低容量ピル(保険適応)の治療薬が発売されました。これらの治療薬はいままでの生理を止めて治療するGnRHaと比較しても同等の治療成績があると評価されています。
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もちろん手術療法が優先されることもありますがテーラーメイド治療の一つとして確立されたと評価されました。
子宮内膜症は大変再発しやすい疾患でいかに治療を続けるかが焦点になります。上記の新しい治療薬は継続しやすいのが特徴です。

特に若年者の場合、病変が進行すると不妊症になりますので早めに受診して治療することをお勧めします。

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